4D Flow MRI — 撮像法の総説
4D flow MRI
4D Flow を1回撮るのに何分かかり、その時間は何で決まるのか。
大動脈・肺動脈では TR 5〜6 ms、2mm等方、VENC 100〜150 cm/s、並列イメージング R=2、ナビゲータ効率50〜80%で 15〜20分、時間分解能40〜50 ms。撮像時間は分解能・被覆範囲・加速率で決まり、速度ノイズは VENC に比例して SNR に反比例する。
当社の視点
「なぜそんなに時間がかかるのか」を式で説明できる総説です。時間分解能は 4×TR×NSeg、撮像時間は NyNz/NSeg×TECG という形で書かれているため、分解能を上げると何倍かかるかを事前に計算できます。VENC についても、エイリアシングを避けるには高く、ノイズを抑えるには低くという相反があり、広い範囲を1回で撮ると単一の最適 VENC は存在しないと明記されています。撮像条件の相談で前提を揃えるのに使えます。
扱う範囲
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01
撮像時間を決める式
k空間分割で1時相ぶんの位相エンコード数 NSeg を選ぶと、時間分解能は 4×TR×NSeg、総撮像時間は NyNz/NSeg×TECG で決まる。分解能・被覆範囲・加速率のどれを動かしても撮像時間が変わる関係が式として書かれている。
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02
標準的な設定
大動脈や肺動脈では TR 5〜6 ms、空間分解能およそ 2×2×2 mm³、VENC 100〜150 cm/s、NSeg=2、並列イメージング R=2、ナビゲータ効率50〜80%。これで総撮像時間およそ15〜20分、時間分解能40〜50 ms になる。
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03
VENC の相反
速度ノイズは VENC に比例し SNR に反比例する。エイリアシングを避けるには VENC を高く、ノイズを抑えるには低くという相反がある。広い範囲に多様な血管が含まれる撮像では、単一の最適 VENC は存在しない。
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04
高速化の手法
並列イメージングのほか、時空間の相関を使うサンプリング、ラジアルサンプリングによるアンダーサンプリング(PC-VIPR)。ラジアルではナイキスト限界より少ない本数でも空間分解能が保たれ、代わりにストリークアーチファクトと SNR 低下を受け入れる。
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05
呼吸の扱い
ベローズとナビゲータが一般的で、受け入れる横隔膜位置の窓を決める。呼吸位相に応じた適応的な k空間並べ替えでデータ棄却を20〜40%まで下げられる。ナビゲータは離れた解剖の動きで代用する点と、更新頻度が低い点が弱み。
標準的な撮像条件
| 項目 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 空間分解能 | 約 2×2×2 mm³ | 大動脈・肺動脈系での典型 |
| VENC | 100〜150 cm/s | 2D CINE では大動脈150、肺動脈100 cm/s |
| TR | 5〜6 ms | NSeg = 2 |
| 総撮像時間 | 約 15〜20分 | 並列イメージング R=2、ナビゲータ効率50〜80% |
| 時間分解能 | 40〜50 ms | Δt = 4×TR×NSeg |
| 速度ノイズ | VENC / SNR に比例 | VENC を上げるとノイズが増える |
| 適応的 k空間並べ替え | データ棄却を 20〜40% に低減 | 呼吸位相に応じた順序制御 |
いずれもこの総説が典型例として挙げた値です。
実務チェック
- 分解能を上げる要求には、撮像時間が式で決まることを示して条件を詰める。
- 広い範囲を1回で撮るとき、単一の最適 VENC は存在しないことを前提に部位ごとの優先順位を決める。
- ラジアル系を使うなら、ストリークアーチファクトと SNR 低下を受け入れる判断であることを共有する。
この総説の位置づけ
- 2012年時点の総説です。加速手法と装置の実装はその後大きく変わっており、現行の推奨値は合意声明を参照してください。
- 自己ゲーティングや高度な動き補正の 4D Flow への適用は、当時まだ達成されていないと記されています。
書誌情報
| 原題 | 4D flow MRI |
|---|---|
| 著者 | Markl M, Frydrychowicz A, Kozerke S, Hope M, Wieben O |
| 掲載誌 | Journal of Magnetic Resonance Imaging(2012) |
| DOI | 10.1002/jmri.23632 |
| PMID | 23090914 |