For Patients

心臓と大動脈の血流を、
立体的に見る検査です。

4D Flow MRI は、心臓と大動脈の中を血液がどう流れているかを、拍動の一周期にわたって立体的に記録する MRI 検査です。流れる量・速さ・向き・流れ方を、数値と動画の両方で確認できます。このページでは、この検査で分かることと分からないこと、結果がどのような形で届くのかを説明します。

心臓と大動脈の血流を、速さに応じた色の流線で示した解析画像です。

線は血液の流れる道すじを、色は流れの速さを表します。

健常ボランティアのデータによる見本です。診療用ではありません。

この検査で見ているもの

心臓から送り出された血液が、大動脈を通って全身へ向かうまでの流れを記録します。得られたデータから、次の6点を確認します。

流れる量

心臓が1回の拍動で、また1分間にどれだけの血液を送り出しているかを測ります。全身に十分な血液が行き渡っているかを見るときの、いちばん基本になる数字です。

流れる速さ

血管や弁が狭くなっていると、そこを通る血流だけが極端に速くなります。全体が滑らかに流れているか、1か所だけ速い場所がないかを見ます。

逆流

心臓の弁は、血液を一方向にだけ流すための弁です。弁が閉じているあいだに血液が逆向きへ戻っていないかを、割合として測ります。

大動脈の太さ

大動脈は心臓から全身へ血液を送るいちばん太い血管です。弁のすぐ先から下っていく全長にわたって、各位置での直径を測ります。

心臓のポンプ機能

心臓が縮んだときに、ためていた血液のうち何割を送り出せたかを測ります。駆出率と呼ばれる数字です。

流れ方(渦や偏り)

血液が血管の壁に沿って滑らかに流れているか、渦を巻いたり片側に偏って当たったりしていないかを、動画で確認します。

このほかに、血液が流れるときに失われるエネルギーの量など、研究が進んでいる指標もあわせて計算します。これらはまだ研究段階の指標のため、参考としてお示しするだけで、正常か異常かの判定は行いません。

血流の速さを色で見ます

青が遅く、赤が速い流れを表します。色は速さを示しており、正常・異常の判定を示すものではありません。再生すると、拍動に合わせた流れの変化を確認できます。

健常ボランティアのデータによる見本です。診療用ではありません。見本の説明を読む

計測に使った大動脈の形を横から見た画像です。
大動脈の形を確認します

計測に使った大動脈を横から見た画像です。血流の動画とあわせて、血管の形も確認します。

健常ボランティアのデータによる見本です。診療用ではありません。結果の見本を読む

この検査で分からないこと

分かることと同じくらい、分からないことをはっきりさせておくことが大切だと考えています。この検査では、次の点は評価できません。

この検査の結果だけで診断が決まるものではありません。ほかの検査の結果や症状、これまでの経過とあわせて、担当医が判断します。結果の受け取り方についても、担当医の説明をお聞きください。

結果はこのような形でお渡しします

数値の一覧だけをお渡しするのではなく、実際に撮影された血流の動画とあわせて、項目ごとに何を見ているのかを説明する形にしています。専門的な解析条件は、医師・研究者向けの付録として末尾にまとめてあります。

結果の見本(健常ボランティア)

健常ボランティア1名のデータを使った見本を公開しています。血流の動画、項目ごとの説明、よくあるご質問、用語のご説明まで、実際にお渡しするものと同じ構成です。文字サイズを大きくして読むこともできます。

この見本は、匿名の健常ボランティアからご協力いただいて取得したデータによるものです。患者さんの診療データは使用していません。解析手法の確認を目的とした見本であり、診療にそのまま用いるためのものではありません。

検査を受けるまで

  1. 担当医にご相談くださいこの検査を受けたほうがよいかどうかは、症状やほかの検査の結果をふまえて担当医が判断します。まずは通院されている医療機関でご相談ください。費用や保険の扱いについても、受診される医療機関にお問い合わせください。
  2. 医療機関の MRI で撮影します撮影は MRI 装置のある医療機関で行われます。撮像の条件や所要時間は施設によって異なりますので、受診される医療機関にお確かめください。
  3. 撮影したデータを解析します当社が撮影データを解析し、流れる量・速さ・向き・流れ方を数値と動画にまとめます。大動脈の太さは、血管の中心を通る線を引いて、その線に垂直な断面で全長にわたって測ります。
  4. 担当医から結果の説明を受けます解析の結果は担当医を通じてお伝えします。数値の意味や、次の検査をいつ受けるかについては、担当医の説明をお聞きください。

よくあるご質問

渦があると悪いのですか。

渦そのものは異常ではありません。健康な方の大動脈にも、ゆるやかな渦は生じます。問題になるのは、渦が強すぎる場合や、血管の同じ場所にいつも強く当たり続ける場合です。

血流が速いと危険なのですか。

速さそのものより、どこで急に速くなるかが重要です。弁や血管が狭くなっていると、その部分だけが極端に速くなります。全体が滑らかに変化しているのであれば、速さの数字が大きくても狭窄を示すものではありません。

結果はどのくらいの期間、有効ですか。

血流や血管の状態は年単位で変化します。次にいつ検査を受けるかは、大動脈の太さやほかの検査の結果、これまでの経過をふまえて担当医が判断しますので、指示された時期に受診してください。

2回目以降の検査では何が分かりますか。

大動脈の太さ、流れる量、逆流の変化を、前回の結果と並べてお示しできます。特に大動脈の太さは、1年あたり何ミリ変化したかが経過を見るうえで重要な情報になります。

研究段階の指標とは何ですか。

血液が流れるときに失われるエネルギーの量や、血液がねじれながら流れる強さなどが、これに当たります。心臓や血管の負担を表す指標として研究が進んでいますが、正常と異常を分ける基準は定まっていません。そのため参考としてお示しするだけで、判定は行いません。

言葉のご説明

言葉 意味
1回拍出量 心臓が1回の拍動で送り出す血液の量です。
心拍出量 1分間に送り出される血液の量で、1回拍出量に心拍数を掛けたものです。
駆出率 心臓が縮んだときに、ためていた血液のうち何割を送り出せたかの割合です。
逆流率 弁が閉じているあいだに逆向きへ戻る血液の割合です。
流線 血液の流れる向きに沿って引いた線で、流れの道すじを表します。
エネルギー損失 血液が流れるときに熱などへ変わって失われるエネルギーで、研究段階の指標です。
らせん流 血液がねじれながら流れる状態です。健康な方にも見られます。

このページの位置づけ

このページは、4D Flow MRI という検査について知っていただくための情報提供です。特定の診断や治療を推奨するものではなく、検査を受けるかどうかの判断は担当医が行います。

当社は、撮影されたデータの解析と結果のまとめを担当する会社です。診療そのものは行っておりませんので、症状についてのご相談は通院されている医療機関へお願いします。解析の方法や結果の見せ方についてのご質問、このページの内容へのご指摘は、当社のお問い合わせ窓口までお寄せください。

最終更新 2026-09-09